MASTERキートン CHAPTER 14 「心の壁」/WALL OF THE HEART 感想

あらすじ

十数年前、シュレーダーは懐妊している当時の妻ルイーゼを残したまま、旧東ドイツから亡命した。残された妻は亡命したシュレーダーに対する報復として強制収容所へと入れられ、出産を待たずして亡くなってしまったという。そして十数年のときが経った現在。当時の強制収容所の様子を告発した新聞記事に目を通したシュレーダーは驚嘆した。なんと、そこには赤子を抱くルイーゼの写真があった! そこでシュレーダーは、現在のルイーゼと子供の調査をキートンに依頼した。

感想

最初は心がほっこりするパターンの話で進んでいるかと思いきや、なんかだんだんと怖い話になっていくというのが面白かった。

ネタバレを書きますが、ルイーゼは既に亡くなっており、その娘ローザはまだ生きてました。しかし、ローザは母親を残して亡命したシュレーダーのことを快くは思っておらず、シュレーダーへの復讐を匂わせる発言を知り合いに漏らしていました。そして、髪を染めるなどの変装をして、ベビーシッターとしてシュレーダー家に雇われ、隙を見てシュレーダーが亡命後に結ばれた女性との間にできた娘クララを殺そうとしていました。しかし、クララが口ずさむ歌がルイーゼがよく歌っていたものと同じで、しかもシュレーダーが一番大切な人に捧げた歌というのをクララから伝えられ、シュレーダーが亡命後もルイーゼのことを大切にしていたのを知ります。そして、復讐をするのと思い留まった。というのが事の顛末でした。

なんといいますか、クララを殺しちゃったら後気味が悪いからとりあえずハッピーエンド風にしてみました感がありますよね。

確かに、ローザはシュレーダーが自分の母親を捨てたと勘違いをしていたので、クララを殺してしまった後にそれに気づいたときには、もはやが収拾つかないほどのバッドエンドを迎えてしまいます。

しかし、クララが歌を口ずさんだことがきっかけで誤解が解けるんだったら、ベビーシッターをしていて普段のシュレーダーの生活を見るだけで、クララを殺そうなんて思いもしないと思うんですが(養子先で養父に性的虐待を受けかけたトラウマで、大人が信用出来ないと思っていたのかもしれないが)。

なので、こんなことをしたら頭がオカシイと思われますが、私の中ではクララは殺されたということになっています。ただ、アメリカ版パトラッシュの犬のように、アニメとして放映したものは修正されて放送されていますよ~的に脳内で変換をして楽しんでいました。おわり~。

東西ベルリン動物園大戦争

東西ベルリン動物園大戦争

 

次回の感想はこちら

前回の感想はこちら