これからの日本を考えるきっかけの一冊になるのか!?「不安な個人、立ちすくむ国家」著: 経産省若手プロジェクト

人生100年と言われているこれからの世の中。年金はどうなるのか、リストラされずにこのまま逃げ切れるのかなど、きっと不安に思っている人も多いでしょう。そんななか、これからの人生の生きる道標になる一冊(個人的な感想です)になるかもしれないと思い、読んでみました。

ちょっと読み始めてから、薄々気づきましたが、生きる指標を与えてくれる本ではない(生きる指標は自分の足で見つけろ!)。

そんなことはさておき、この本の出た経緯として、まず、経産省が2016年に発足させた「経済産業省次官・若手プロジェクト」というプロジェクトがありました。そこでは、日本で起こりうる中長期的な問題が議論されていました。そして、そのプロジェクトの一環で作られた資料を2017年にネットで公開したところ、反響が大きく、この本を出版する運びになったとか、ならなかったとか。

そんな本書の内容は大きく分けて以下の3つ。

  1. 2017年5月18日 産業構造審議会総会の配布資料のレポート「不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~」(以下のリンクの資料2)とネットの反響

    産業構造審議会総会(第20回)‐配布資料(METI/経済産業省)

  2. 養老孟司、冨山和彦、東浩紀経産省若手プロジェクト一同との座談会(著名人3名が同時に座談会を行ったわけではなく、3つの個別の座談会を収録した内容になっている)
  3. 経産省若手プロジェクトメンバーへのインタビュー

最初のものについては、無料で見られるので実際に見てみてね~(テキトー)。

2つ目の内容に関しては、それぞれの著名人が実際に「不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~」の資料を見た感想や、これから日本はどうなるのか(どうするべきなのか)を述べているが、個人的には「ふ~ん」で終わってしまう内容だった。だが、そんな感想で終わらせるのも何なので、かっこいいと思った部分を引用して締めることにする。

 養老 「高齢な状態というのは、それまでの人生の結果です。皆、それを忘れていませんか? 勝手に高齢がやってくるわけではないのです。だからね、いい年して人に生き方を聞くんじゃねえよ、という話です。」

 3つ目の内容は、このプロジェクトに参加した、経産省の若手たちへのインタビューだが、日本のことを一生懸命考えてくれているのが分かる内容が多く、こういう人たちが日本を支えていることがよくわる。

まとめとしては、日本のことを個人レベルでも、もっと考えなければならないと思わせてくれる本。正直、この本を紹介しておいて、こう書くのもおかしいが、上のリンクのレポートを見るだけで、本書の伝えたいことの7~8割は伝わるのではないだろうか。そのため、本書を買うよりもまず、レポートを見ることを推奨する。

日本人って政治に無関心な人が多いと聞くが、そのツケを払う時が遂に来たのか!?

日本よ!どうなる!

不安な個人、立ちすくむ国家

不安な個人、立ちすくむ国家