MASTERキートン CHAPTER 22 「シャトー・ラジョンシュ1944」/CHATEAU LAJONCHEE 1944 感想

感想

これからどうなっちゃうの?

いや~、今回は「昔ながらの伝統ワイン醸造」VS「科学的アプローチおよび効率性重視ワイン醸造」との争いを描いた物語でした。

結果的に「昔ながらの伝統ワイン醸造」に軍配が上がったわけですが、科学的な方が良くないっすか? 昔ながらの伝統ワイン醸造だと、ハズレは多いが、ごくたまにめちゃくちゃうまいワインが出来て、一方の科学的なワイン醸造だと外れは少ないが、めちゃくちゃうまいワインは出来なくなる。

まあ、飛び抜けたワインを一本作るか、平均的なワインを100本作るかのトレードオフなわけですが、今までのやり方(一発屋方式)では経営が成り立たなくなっているんですよ? もはや科学的な醸造方法に移行するしか手は無いでしょ。

しかし、結果的にはそれをおそらくしないということでハッピーエンド風に描かれている。

このエンディングを見た瞬間、「おいおい、このあとどうなってしまうんだよ!!」と思わずにはいられなかった。

そして、あのリベロという執事。この後ワイン醸造の仕事から身を引くらしいが、「えっ!? お前逃げるの?」的な感が否めない。ヴィクトールのことはもうどうでも良くなっちゃたんだろうか。

でも、そうと決めつけるのもあまり宜しくない。なぜかというと、リベロはヴィクトールの考えていることはだいたいお見通しなので、それを見越して自分は出ていくという選択をしているという可能性もある(自分がいるとヴィクトールの今後のワイン醸造に差し支えがあると思ったのか?)。

ワイン農園の今後

そこで思ったんですが、”これからどうなっちゃうの?”では科学的はワイン醸造ではなく、昔ながらの伝統ワイン醸造に回帰していく方向性で書きましたが、再考してみたところ、実は科学的ワイン醸造にも踏み込んでいくのでは? という結論に至りました。

ではなんでそんな事が言えるのかと言いますと、以下の2つのシーンを見直してみてください。

  1. リベロの引退&シャトー・ラジョンシュ1944の落下
  2. ラストシーンの二人(ヴィクトールとマルグリット)

勘の良い人ならわかると思います。そうです、メタファーです!! 伝統ワイン醸造のメタファーとしてリベロ&ヴィクトール&シャトー・ラジョンシュ1944、科学的ワイン醸造のメタファーとしてマルグリットが用いられているんです!!

つまり、1つ目は従来の醸造法からの脱却を意味しており、2つ目は従来の醸造と科学的ワイン醸造の歩み寄りが描かれているんです(最後のシーンで小さくて見づらいですが、ヴィクトールとマルグリットが互いに歩み寄っている)。

いや~、こんなでっち上げに近いことを書くなんて頭がどうかしているのかもしてませんが、私個人の今後の見解としては、2つの醸造法をハイブリッドした手法で見事経営は安定し、二人は添い遂げることでしょう!!

次回の感想はこちら

前回の感想はこちら