MASTERキートン CHAPTER 31 「匂いの鍵」/A SCENT OF A KEY 感想

今回は、ベルリンの壁が崩壊してもなお、ドイツの東西分断に翻弄され続ける男ハイネンの物語でした。

なんだかスカッとしない終わり方をしていましたが、ラストシーンでキートンが拾ったベルリンの壁の破片(ハイネン曰くお守り)は何を意味していたのだろうか。

単純な見方ですが、お守りを落とした=ハイネンは旧東ドイツのケースオフィサーに再び襲われる(おそらく暗殺される)というのが個人的見解その一。

しかし、これだとすげー暗い物語になってしまう。

そこで、楽観的な個人的見解そのニ。

ベルリンの壁の破片・長年連れ添った犬の死=今までのしがらみからの開放を表している。つまり、あの後ハイネンは密告に成功して無事暗殺の手から逃れるという解釈。

ちょっと楽観的すぎますが、犬は忠誠のシンボルの意味があるらしく、あの犬の死は東ドイツに従ってきた(≒忠誠)過去からの脱却を意味しているのではないか? という見方。

ただ、この忠誠が西ドイツに対するものだとしてもそんな不自然な解釈ではないため、西ドイツへの忠誠が果たせないこと(結局暗殺される)の暗喩だとも受け取れてしまう。

まあ、ベルリンの壁の破片は置き去りにして、死んだ犬を大切に抱えてハイネンが立ち去っているため、過去のしがらみは捨てて、失っていた西ドイツへの忠誠を再び果たすという解釈にしてしまえば問題ないが、ここまでやってしまうとなんでもありになりそうで微妙。

つまり、ハイネンはあのあと暗殺されるのが落ちだと思う。おそろしや。

ベルリン 分断された都市

ベルリン 分断された都市

 

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